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地元の人たちの人気を集める和菓子店『いせや』。だんご、和菓子、ご飯物など、気取らない庶民の味を昭和10年から守り続ける店です。商品はどれも素材が持つ自然な風味が素直に伝わってくる味。『いせや』のご主人・藤井修さんにお話を伺ってきました。 「店を新しく建て替え、(平成15年)12月6日に新規開店しました。宣伝は張り紙以外しなかったけれど、開店の時はお客さんの行列ができたんだよ。うれしいね。見せたいな、写真はどこだったかな?」 開店当日の写真には、開店を祝うように行列が出来ていました。開店を心待ちにしていた地元のお客様もきっと多かったはず。写真を眺め、本当にうれしそうな藤井さん。新しい店舗は、通りに面したガラス越しに店の中が見え、洗い出しによる外壁や銅葺きの屋根が印象的です。 「40年以上ここで商売をさせてもらって、生きているうちに、何かね、この通りに残しておきたかった。だから、立て直したんだ。みんなに反対されたけど、やって良かった思う。3日だけでいいから、やりたかったんだ。」 ひっきりなしにやってくるお客様。売り場では女性店員が注文の品を丁寧に詰めていきます。焼だんご、草餅、黄身しぐれ、いちご大福、いなりに太巻き・・・。お客様を惹きつける美味しさは、どこから生まれてくるのでしょうか? 「“良い品物を通常の価格で”がモットー。良いものを作ろうと思えば、原価も上がるのは当然で安くはできない。良い品物を安くって、言うのは簡単だけどね。どこかに無理がある。それじゃ持ち出しになって長くは続かない。だから、“良い品物を通常の価格で”なんです。」 『いせや』では、手作りの新鮮さが当たり前。出来たての商品がショーケースに並びます。 「うちの商品は日持ちができないんだ。だから、回転させなきゃいけない。その日作ったものをその日に売る。だんご?だんごは3〜4時間で固くなるから、少しずつ焼かないとね。材料はもちろん良いものを使い、基幹的なものは日本のもの。外国のものはそんなにないかな。」 材料の話になったので、和菓子作りに欠かせない上新粉(うるち米を粉にしたもの)について聞いてみました。すると、そこにも美味しさの秘密が潜んでいました。 「上新粉もいろいろあるけど、うちのは最高レベルのもの。例えば草餅や柏餅には、上新粉の他にうるち米を挽いた“生新粉”も一緒に使う。上新粉は乾燥させてあるから、香りが飛んでしまう。“生新粉”は日持ちしないけど、風味がいい。だから、合わせて使うんだ。」 材料をどう使い、また生かすのか。それは経験と技術がなければ出来るものではありません。藤井さんは毎日の仕事の積み重ねの中でそれらを培ってきました。お話を伺う時間も終る頃、こう締めくくってくれました。 「仕事は、楽しみながらとか、遊び心ではしたくない。ピりピリして全力投球。そうじゃないとお客様や同業者の方に失礼になってしまうから。」 ますます『いせや』のファンになってしまいそうです。 |
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